週刊日誌(スタッフブログ)
第490回 2015.07.27
食の安全性の大切さを再認識しました
コンビニ弁当のせいか、いつの間にか食欲がなくなっていた。
町田宗鳳様が主催される「ありがとう断食」がきっかけでした。
私の食事は1日1回、昼食だけでございます。
1日1食にしてからもう2年半になります。
おかげさまでこれまでの毎回の食事は、おなかがすいた状態でおいしく食べることができ、体力に関しても息切れをすることはなくなっていました。
ところがここのところの2・3カ月は、コンビニや弁当店で済ませるようになっていました。
気が付けば毎回の食事で食が進みません。1日1食にもかかわらず無理に食べるようになっていたのです。
港北区綱島で開業しておられます。
最近お世話になっている治療家の本を読んでいますと、多くの食品やコンビニで売られている弁当などには、多くの合成添加物や酸化防止剤などが使用されているとのこと。
そのための患者も多く来ておられるとのことです。
そこで1週間くらい前から家庭で作る弁当に切り替えましたところ、2・3日前からまた食欲が戻ってまいりました。
夜は食事を通常は取りませんが、昨日はおなかがすいて、とうとう食パン1枚、ウナギ弁当半人前、ソーメン半人前を食べていました。
改めて食べ物の安全性を認識したところでございました。
コンビニ弁当のせいか、いつの間にか食欲がなくなっていた。
町田宗鳳様が主催される「ありがとう断食」がきっかけでした。
私の食事は1日1回、昼食だけでございます。
1日1食にしてからもう2年半になります。
おかげさまでこれまでの毎回の食事は、おなかがすいた状態でおいしく食べることができ、体力に関しても息切れをすることはなくなっていました。
ところがここのところの2・3カ月は、コンビニや弁当店で済ませるようになっていました。
気が付けば毎回の食事で食が進みません。1日1食にもかかわらず無理に食べるようになっていたのです。
港北区綱島で開業しておられます。
最近お世話になっている治療家の本を読んでいますと、多くの食品やコンビニで売られている弁当などには、多くの合成添加物や酸化防止剤などが使用されているとのこと。
そのための患者も多く来ておられるとのことです。
そこで1週間くらい前から家庭で作る弁当に切り替えましたところ、2・3日前からまた食欲が戻ってまいりました。
夜は食事を通常は取りませんが、昨日はおなかがすいて、とうとう食パン1枚、ウナギ弁当半人前、ソーメン半人前を食べていました。
改めて食べ物の安全性を認識したところでございました。
第489回 2015.07.21
「気」のパワーはアップしていました
第488回 2015.07.13
豪華なカーテンが出来上がりました
豪華なカーテンが出来上がりました。
近頃はカーテンに高額な費用をかけるお客様が少なくなってまいりました。
その背景には、一窓10.000円とか安さを前面に出した販売が浸透してきた影響かと思われます。
今から15年くらい前には、100万円以上をかけられるお客様は、そんなに珍しくはありませんでした。
久しぶりに今回のお客様は、100万円をはるかにオーバーする予算をかけていただきました。
上飾りバランスは、テール付きにしました
バランス付きの大きな窓は、総間口で5mございます。
バランスのスタイルは箱ヒダにして、両サイドに裏地付きのテールを付けました。
生地幅が足らないエンブロイダリーレース生地
リビングの窓は、高さが4mございます。
裾に刺繍があるエンブロイダリーレース生地は、3mの幅しかありません。
そのためつなぎ合わせなければなりませんが、つなぎ目がきたなくなります。
そこでつなぎ目部分にトリム生地を使用してアクセントとして、ジョイントすることになりました。(裾から1m位の位置に使用いたしました。)
さてその素晴らしい写真をご覧くださいませ。

豪華なカーテンが出来上がりました。
近頃はカーテンに高額な費用をかけるお客様が少なくなってまいりました。
その背景には、一窓10.000円とか安さを前面に出した販売が浸透してきた影響かと思われます。
今から15年くらい前には、100万円以上をかけられるお客様は、そんなに珍しくはありませんでした。
久しぶりに今回のお客様は、100万円をはるかにオーバーする予算をかけていただきました。
上飾りバランスは、テール付きにしました
バランス付きの大きな窓は、総間口で5mございます。
バランスのスタイルは箱ヒダにして、両サイドに裏地付きのテールを付けました。
生地幅が足らないエンブロイダリーレース生地
リビングの窓は、高さが4mございます。
裾に刺繍があるエンブロイダリーレース生地は、3mの幅しかありません。
そのためつなぎ合わせなければなりませんが、つなぎ目がきたなくなります。
そこでつなぎ目部分にトリム生地を使用してアクセントとして、ジョイントすることになりました。(裾から1m位の位置に使用いたしました。)
さてその素晴らしい写真をご覧くださいませ。
第487回 2015.07.06
「ご供養家具」が雑誌「プレジデント」に再掲載されました
第486回 2015.06.29
動く時計のご紹介です
旭川の展示会に行ってきました。
ほとんど毎年ですが、旭川の展示会には行っています。
目的は職人さんたちの作品を見ることと、1年に1度は職人さんの顔を見ることでございます。
作品の感想としましては、若い職人さんたちの力作が印象に残りました。
デザインとしましたらいたってシンプルな作品が多く、ごまかしができにくいということですね。
人との出会いで印象深かったのは、カンディハウスの今では相談役の長原様にお会いしたことでございます。
40年前、勤め先の社長から仕入れを任せるからと言われ、最初に飛び込んで商談をさせていただいた方でございます。
お互いに懐かしく、楽しい時間でございました。
また夜は職人さんと食事をしながら飲んだわけですが、最後の時間は記憶がありません。
悪いことをしてなければいいのですが・・・・
さて楽しい作品がありましたので紹介いたします。
これは動く時計です。
旭川の展示会に行ってきました。
ほとんど毎年ですが、旭川の展示会には行っています。
目的は職人さんたちの作品を見ることと、1年に1度は職人さんの顔を見ることでございます。
作品の感想としましては、若い職人さんたちの力作が印象に残りました。
デザインとしましたらいたってシンプルな作品が多く、ごまかしができにくいということですね。
人との出会いで印象深かったのは、カンディハウスの今では相談役の長原様にお会いしたことでございます。
40年前、勤め先の社長から仕入れを任せるからと言われ、最初に飛び込んで商談をさせていただいた方でございます。
お互いに懐かしく、楽しい時間でございました。
また夜は職人さんと食事をしながら飲んだわけですが、最後の時間は記憶がありません。
悪いことをしてなければいいのですが・・・・
さて楽しい作品がありましたので紹介いたします。
これは動く時計です。
第485回 2015.06.15
問診票について
昨日一昨日と、知人の病気の付添として病院2件を訪れました。
知人は2年半前ごろから、徐々に言葉がうまく話せなくなりました。
また食べ物を飲み込むことについても苦労をしています。
そのため代理として私が、症状などを先生に伝える役目のため同行することになりました。
さて病院を訪れますと、初診の場合はまず問診票を書かなければなりません。
ところが問診票を作成しても、診察の時に再度問診をされます。
優秀な先生方の時間を束縛しないためと、病歴や服用している薬などは多くの病院に
かかっておられる方にとっては、なかなか思い出せないようです。
また、待っておられるほかのお客様に迷惑をかけないためもあり、事前に病歴・服用薬などの
明細表を前もって作成しておくことを感じました。
さて1件目は問診票の作成に病歴などを思い出しながら、おおよそ15分くらいかかりました。
それでも問診に10分くらいは費やされたかと思います。
2件目ではまた同じことを書かなければなりませんが、質問内容が1件目とは違っていて、
書くのにまた10分くらいかかりました。
それから診察ですが、問診に費やされた時間はおおよそ15分くらいでした。
今回の病院2件に関しましては非常にレベルが高くて、そのためお客様も多くが来ておられます。
そのような状況の中、診察時間は1件目で約40分、2件目では約1時間の診察時間を取っていただきました。
素晴らしい先生方のおかげで、2年半わからなかった症状の原因が判明いたしました。
またその場で大学病院の先生方のリストで、今回の症状を理解できる先生を探されます。
とうとうお目当ての先生がおられる大学病院を見つけられて、その先生を指名された個人名での
紹介状を作っていただくことになりました。
今回お世話になりました先生方に共通していたことは、仕事に関しての情熱が非常に強く、
患者の病気を治すことに執着をもっておられます。
そのため特殊な症状に対しては、自分より能力がある次の先生へのバトンタッチをされました。
紹介状は私たちが見ている前で書かれ、また紹介状のお金は取られません。
知人が言うには、紹介状は5000円くらいかかるとのことを聞きびっくりいたしました。
今回の過程の中で感じたことは、多くの患者が待っておられる状況の中でも、多くの時間を
作ってくださったことに感謝するとともに、優秀な先生方が問診に費やされる時間が
もったいないとのことでした。
今後は病歴などを前もって整理をし、いつでも細かい情報を先生方に伝えることができるような
資料を用意しておくことを知人に伝えました。
昨日一昨日と、知人の病気の付添として病院2件を訪れました。 知人は2年半前ごろから、徐々に言葉がうまく話せなくなりました。 また食べ物を飲み込むことについても苦労をしています。 そのため代理として私が、症状などを先生に伝える役目のため同行することになりました。 さて病院を訪れますと、初診の場合はまず問診票を書かなければなりません。 ところが問診票を作成しても、診察の時に再度問診をされます。 優秀な先生方の時間を束縛しないためと、病歴や服用している薬などは多くの病院に かかっておられる方にとっては、なかなか思い出せないようです。 また、待っておられるほかのお客様に迷惑をかけないためもあり、事前に病歴・服用薬などの 明細表を前もって作成しておくことを感じました。 さて1件目は問診票の作成に病歴などを思い出しながら、おおよそ15分くらいかかりました。 それでも問診に10分くらいは費やされたかと思います。 2件目ではまた同じことを書かなければなりませんが、質問内容が1件目とは違っていて、 書くのにまた10分くらいかかりました。 それから診察ですが、問診に費やされた時間はおおよそ15分くらいでした。 今回の病院2件に関しましては非常にレベルが高くて、そのためお客様も多くが来ておられます。 そのような状況の中、診察時間は1件目で約40分、2件目では約1時間の診察時間を取っていただきました。 素晴らしい先生方のおかげで、2年半わからなかった症状の原因が判明いたしました。 またその場で大学病院の先生方のリストで、今回の症状を理解できる先生を探されます。 とうとうお目当ての先生がおられる大学病院を見つけられて、その先生を指名された個人名での 紹介状を作っていただくことになりました。 今回お世話になりました先生方に共通していたことは、仕事に関しての情熱が非常に強く、 患者の病気を治すことに執着をもっておられます。 そのため特殊な症状に対しては、自分より能力がある次の先生へのバトンタッチをされました。 紹介状は私たちが見ている前で書かれ、また紹介状のお金は取られません。 知人が言うには、紹介状は5000円くらいかかるとのことを聞きびっくりいたしました。 今回の過程の中で感じたことは、多くの患者が待っておられる状況の中でも、多くの時間を 作ってくださったことに感謝するとともに、優秀な先生方が問診に費やされる時間が もったいないとのことでした。 今後は病歴などを前もって整理をし、いつでも細かい情報を先生方に伝えることができるような 資料を用意しておくことを知人に伝えました。
第484回 2015.06.08
今年もぶどうの袋かけを行いました
去年からですが、仲間の人たちを交えて当社の定休日に昼間から、飲食と歓談をしながらぶどうの袋かけを行うようになりました。
また同じメンバーとで収穫祭も行います。
今年は3日(水)に行いましたが、天気予報では大雨洪水カミナリ注意報が出ています。
朝6時ころより参加予定者と連絡を取りあいました。
皆様はやはり不安そうです。おそらく無理かと思われましたが、夕方からは回復するとのこと。
けっきょく午後2時から行うことにいたしましたが、見事予想が的中してまったく雨は回復いたしました。
皆様、やはり日ごろの行いは大事ですね。
大いに盛り上がり、わたくしは飲みすぎてしまい、着替えもしないでそのままの格好で朝まで寝てしまっていました。

去年からですが、仲間の人たちを交えて当社の定休日に昼間から、飲食と歓談をしながらぶどうの袋かけを行うようになりました。
また同じメンバーとで収穫祭も行います。
今年は3日(水)に行いましたが、天気予報では大雨洪水カミナリ注意報が出ています。
朝6時ころより参加予定者と連絡を取りあいました。
皆様はやはり不安そうです。おそらく無理かと思われましたが、夕方からは回復するとのこと。
けっきょく午後2時から行うことにいたしましたが、見事予想が的中してまったく雨は回復いたしました。
皆様、やはり日ごろの行いは大事ですね。
大いに盛り上がり、わたくしは飲みすぎてしまい、着替えもしないでそのままの格好で朝まで寝てしまっていました。
第483回 2015.06.02
神奈川県産材・ヒノキで作るカウンター下収納家具
今回は神奈川の水源にあたる津久井の森で育った、ヒノキ材を利用して家具を製作いたしました。
ご依頼されたお客様は、30歳前後かと思われる若いカップルでございます。
家具の完成間際には、お子様も誕生されました。
さて当初は、メープル材の突板を使用して作るように進めていましたが、お家に伺ったところ天然木を多く使用されておられます。
できたら当社で在庫をしているヒノキが使えないかといろいろ考えてみました。
当社で在庫をしているヒノキは天然乾燥をした材料でございまして、直接材木商より入手していますので、良質な材料ですが価格は安く提供できるはずでございます。
ただすべての部分で無垢材を使用した場合、大幅な価格アップになるのではと思いました。
ところが職人さんの協力などもあり、ほとんど突板での製作と同価格でできることがわかりました。
そのような過程があり、いざ製作に入ることになりました。
約2か月の期間がかかりましたが、大変喜んでいただけた家具が出来上がりました。
お客様からは使用中の写真まで送っていただき、また感謝のお気持ちの言葉もいただきました。
どうぞ完成した家具をご覧くださいませ。

今回は神奈川の水源にあたる津久井の森で育った、ヒノキ材を利用して家具を製作いたしました。
ご依頼されたお客様は、30歳前後かと思われる若いカップルでございます。
家具の完成間際には、お子様も誕生されました。
さて当初は、メープル材の突板を使用して作るように進めていましたが、お家に伺ったところ天然木を多く使用されておられます。
できたら当社で在庫をしているヒノキが使えないかといろいろ考えてみました。
当社で在庫をしているヒノキは天然乾燥をした材料でございまして、直接材木商より入手していますので、良質な材料ですが価格は安く提供できるはずでございます。
ただすべての部分で無垢材を使用した場合、大幅な価格アップになるのではと思いました。
ところが職人さんの協力などもあり、ほとんど突板での製作と同価格でできることがわかりました。
そのような過程があり、いざ製作に入ることになりました。
約2か月の期間がかかりましたが、大変喜んでいただけた家具が出来上がりました。
お客様からは使用中の写真まで送っていただき、また感謝のお気持ちの言葉もいただきました。
どうぞ完成した家具をご覧くださいませ。
第482回 2015.05.25
ご供養家具の展示会が名古屋でありました
去年につづき、今年も名古屋での展示会に参加をしてきました。
去年は初日に東海テレビで紹介をしていただいたり、当社ブースの向かいでは、位牌写真の無料撮影を行っていて順番を待ちながら当社を眺めています。
そんなことでたいへんな反響でございました。
今年は会場に到着いたしますと雰囲気が全く去年と違います。
大きな企業が参加をしていません。また人の流れが悪そうな位置に当社のブースが置かれています。
おそらく去年の30%の反響かと正直思いました。
ところが今年は簡単に差し上げられるチラシを用意していたのも功を奏したのか、ほとんど去年と同じくらいの方々が来てくれました。
また当社には光栄とも思われるような企業様が数社、当社と取引を希望したいとの話にもなりました。
そんなことで今年の展示会も大成功だったかと思います。

去年につづき、今年も名古屋での展示会に参加をしてきました。
去年は初日に東海テレビで紹介をしていただいたり、当社ブースの向かいでは、位牌写真の無料撮影を行っていて順番を待ちながら当社を眺めています。
そんなことでたいへんな反響でございました。
今年は会場に到着いたしますと雰囲気が全く去年と違います。
大きな企業が参加をしていません。また人の流れが悪そうな位置に当社のブースが置かれています。
おそらく去年の30%の反響かと正直思いました。
ところが今年は簡単に差し上げられるチラシを用意していたのも功を奏したのか、ほとんど去年と同じくらいの方々が来てくれました。
また当社には光栄とも思われるような企業様が数社、当社と取引を希望したいとの話にもなりました。
そんなことで今年の展示会も大成功だったかと思います。
第480回 2015.05.11
今回は町田宗鳳様が主催される「ありがとう断食セミナー」を紹介いたします。
私は2度参加をしていまして、貴重な体験をしてまいりました。
参加をする前の健康診断では、3年連続にわたり要治療の体でございました。
セミナーに参加をしたのをきっかけに、1日一食にすることもいい結果につながったのか、一か月後の検診ではすべてをクリアーをして現在に至っております。
さてこのたび町田宗鳳様より、大変興味ある案内が届きましたので紹介いたします。
皆様、お元気でお過ごしでしょうか。
今年2月と4月の二回連続で「ありがとう断食セミナー」にご参加下さった加藤眞三・慶応大学教授が、医学や栄養学の専門誌である『医と食』に本セミナーの体験談を紹介してくださいました。
消化器内科と肝臓病治療で第一人者と目される医師が、このように虚飾のない文章を書いて下さったことは、誠に光栄なことであり、ますます多くの方が当セミナーを体験して下さることを祈るばかりです。
ぜひまた断食セミナーのみならず、「風の集い」や「そうほう塾」にも足をお運び下されば、嬉しく存じます。
町田宗鳳 拝
町田宗鳳様ホームページ
HOME
加藤医師感想
『医と食』 「患者学のすすめ」 慶應義塾大学看護医療学部 教授 加藤眞三
患者として医師としてみた「ありがとう断食セミナー」
Summary
I participated in the “ARIGATO fasting dojo” in February this year. As
patients who suffer from high blood pressure, and as a doctor to teach
chronic disease, was what the effect is amazing. In this issue, I would like
to introduce the experiences I have participated in the fasting dojo from
the point of view of the Patientology.
はじめに
本年2月に「ありがとう断食セミナー」に参加した。高血圧を抱える患者として、
慢性病を教える医師として、その効果は驚くべきものであった。本号では、断食セミ
ナーに参加した体験談を患者学の視点から紹介したい。
高血圧の患者となって
わたしは、慢性病では薬に頼るよりも先ず生活習慣を改善することが大切であると
考えてきたし、学生に教えてもきた。しかし、最近、自分自身の血圧、特に最低血
圧、が高い傾向が続き、100を超えることも多くなっていた。不規則な生活であり外
食することが多く、塩分を摂りすぎであることは否めなかったが、それなりに自分で
は塩分の摂取量を意識していた。運動に関して言えば、以前から万歩計をつけてモニ
ターし、1日平均の歩数も8000歩以上は確保してきたし、さらに昨年1月からは少し強
度の高い運動も週に一度は必要と考え、テニススクールにも通い始めていた。
そのようにしても、血圧のコントロールは十分とはいえず、1年程前からカルシウ
ムブロッカー(ノルバスク)を渋々服用し始めたが、150台/90-100台の血圧がなお続
くため、昨年9月からは利尿剤(フルイトラン)を加えて2剤の降圧薬により、ようや
く140台/80台にコントロールしていた。
町田宗鳳氏の開催する「ありがとう断食セミナー」
そんな時に、町田宗鳳氏の開催する断食セミナーに参加する機会をえた。町田氏
は、現在広島大学環境平和学プロジェクト研究センター長であり、比較宗教学、生命
倫理学の研究者である。町田氏は14歳で出家し、京都の臨済宗大本山大徳寺で20年修
行した後、ハーバード大学神学部に留学し修士号を取得し、さらにペンシルバニア大
学で博士号を取得し、プリンストン大学助教授、シンガポール大学教授を経て、東京
外語大学教授となって帰国されたユニークな経歴をもつ。わたしは、町田氏が東京外
語大学の教授であった時、町田氏の主宰する比較宗教学者の生命倫理を研究者の集ま
り「いのちの研究会」に参加し、その仲間と2度のインドへの調査旅行に同行したこ
ともあった。
その後、広島大学教授となられた町田氏は、「風の集い」、「ありがとう断食セミ
ナー」、「そうほう塾」などの集まりを積極的に展開されていた。私自身、両方に興
味はあったが参加する機会がなく過ごしていたが、今回、「ありがとう断食セミ
ナー」にアメリカでオキシトシンについて研究していた高橋徳医師が参加するという
ことを知り、高橋医師の話も聴きたくて急遽参加することを思い立った。
断食に関しては、甲田光雄医師の書物などで関心は持っていたが、自分自身が経験
したいと思うほどの強い関心ではなく、本誌の編集長である渡邊昌先生も奨められて
いたが、断食することは躊躇していた。それは、空腹になることへの恐怖感があった
ためではないかと思う。昨年末、左足首の骨折をしてより、色々思うところあり、還
暦をまえにして自分を変えようと考えていた時期でもあり、思い切って参加すること
ができた。
「ありがとう断食セミナー」の体験
2月13日金曜日、自宅での朝食はいつもより軽く済ませ、昼にはヨーグルトを飲ん
で、東京を発ち、17時前に御殿場にある時之栖ホテルにした。各自の個室に荷物をお
いて、畳様のマットを敷いた広間に集合した。20歳台から70歳台まで老若男女、親
子、夫婦などが参加していた。約40人の参加者が自己紹介をし、プログラムは始まっ
た。
「ありがとう呼吸法」、「ありがとう念仏」、「観音禅」、「感謝念仏」、「涅槃
禅」などが町田氏により3日間にわたって指導され、全員が参加する。約30分の瞑想
も、ただじっと座っているだけではなく、声を出しながらやっているので、苦もなく
時間が過ぎていく。
とくに、「感謝念仏」では、各自が各自の音程と長さで大きな声を出すだけである
のだが、わたしの耳には雅楽の笙の音が聞こえてきた。笙の音は、雅楽では「天上か
ら差し込む光」を表す音として知られるが、その音を聴きながら「あーーーー、
りーーーー、がーーーー、とーーーーー、うーーーーー」をくりかえしていると、と
ても気持ちが良くなってくる。「感謝念仏」の間に、このような音を聞こえるだけで
はなく、香りが漂ってきたり、ビジョンが見えてくる人もいるそうだ。「感謝念仏」
では、今回は自分に対して、両親に対して、自分のお世話になった人に対してなどの
テーマを事前に与えられる。そのことが、自分には感謝をする対象がたくさんあるこ
とを気付かせてくれて、自分を内観することにもなる。
「ありがとう念仏」は、「感謝念仏」に比べてアップテンポであり、町田氏が木魚
をたたくのに合わせて「ありがとう」を約30分繰り返す。町田氏は素人にとってこれ
が最も深い瞑想にはいるための簡単な方法であると紹介されていた。
休憩時間は、会場の端に準備された机を囲んで、参加者と談笑する。水、白湯、柿
の葉茶、塩、黒砂糖は自由にとることができる。色々な職種のひとが集まっており、
その会話も楽しみだ。大勢と一緒にやっていることが断食に対する不安感をかき消
す。会期の期間中に、酵素エキスが2回、野菜ジュースが一度出された。3日間にわ
たり心配していた空腹感に煩わされることなく、苦痛なく過ごせたのは、プログラム
が工夫して組まれている賜物なのであろう。
各プログラムの最初にはヨガのインストラクターから、身体をストレッチさせる運
動を指導される。そして、2日目の夜には、裏山に登って護摩を焚いたり、3日目の
朝には、スロージョギングをするなど、身体を動かすプログラムもある。一日のプロ
グラムが終わると、各自個室に戻った後、ホテルの温泉に入り、就寝時間となる。初
日、二日目とも心配した空腹感に悩まされることなく安眠ができた。ホテルの前には
雄大な富士山があり、朝焼けの赤富士を観ることもできた。温泉と富士山という大自
然の気の中で過ごせることもこの断食道場を心地よいものにしている。
3日目の最終日は、朝に青汁が出され、スロージョギングをした後に、復食に入
る。宿便を出すことを目的に、梅干し、煮た大根、生野菜などを順番に摂ることを指
示される。梅干し10個と大量の大根の煮汁を飲むことにより、排便が促される。排
便があった後には、パンとミルクティーを摂ることができた。野菜やパンが本当に美
味しく感じられた。
昼には、富士山を真正面に観ることのできる露天風呂に皆さんと一緒に入り、ゆっ
たりとした後に、最後のプログラムにうつる。そこで、各自が道場に参加をした感想
を述べ、15時には解散となった。この3日間を通して、辛い思いはほとんど感じな
い。
20年間の禅宗の僧侶として修行をされた町田氏が、宗派にかかわらずに、しかも宗
教者でない人にも、簡単に瞑想をできる手法として編み出した「ありがとう禅」を組
み合わせた断食道場であった。町田氏は、浄土宗の開祖法然の研究者でもあり、これ
からは天台宗の比叡山修行をするという宗教の型にとらわれない現代に求められてい
る宗教性を目指して活動している。広島大学を退任後は、このホテルに建立される予
定のお堂を中心に、宗派をこえた統合医療の場として活動していくという。また、ハ
ワイ・ロスアンゼルス・パリ・ブリュッセル・台湾などでも「ありがとう禅」を指導
している。
断食道場参加のその後
たった3日間の断食道場に参加することにより、その後わたしは降圧剤をのむこと
なく、140/90以下の血圧ですごすことができ、4週間がたとうとしている。最
初は、その効果はせいぜい2-3日だろうと考えていたが、2週間を過ぎた頃より、
ひょっとするとこのまま降圧薬を飲まないでもすむのではないかと感じ始めた。
血圧に対して予想以上の良好な経過をえたので、その原因について考えてみた。
一つ目は、体重が減量できたことである。ただし、減量は、1-1.5kgに留まってお
り、この程度の減量なら以前にもしていたが、血圧にそれ程の影響があったわけでは
ない。断食を経験したことにより、空腹感に対する恐怖感がなくなり、一食を抜くこ
とを簡単にできるようになったことは大きい。体の切れもよくなり、頭もさえ、全体
として体調が良くなっていることを感じている。一定の時間が来れば食べなければな
らないという強い思い込みがあったが、その思い込みから解放された。
次に、減塩できたことである。断食を経験して、塩辛いものに鋭敏になり、塩分を
摂る量が減っている。また、朝食に味噌汁をとることをやめて、ホテルでたまたま購
入した黒豆茶に替えていることも関係していることも塩分の制限に役立っている。
三つ目には、コーヒーを飲む量が減ったことである。以前は一日5-10杯程度のコー
ヒーを飲んでいたが、黒豆茶が気に入ったため、一日のコーヒーを2-5杯程度に減ら
すことができている。カフェインの摂る量が減っていることが血圧の低下の原因の一
つかも知れない。カフェインが抜けたときの頭の重い感じやだるさから解放されたの
も、断食道場参加の賜物だ。
四つ目は、気持ちがリラックスしていると感じていることである。断食道場に参加
以来、肩の力が抜けた感じがする。これは、断食の効果というよりもありがとう禅の
効果かも知れない。あるいは、この頃より声を大きく出すことを心がけていることも
関係しているかも知れない。
いずれが原因であるにしても、予想以上に降圧効果を長期間得ていることに、医師
としてのわたしが驚いている。生活習慣を変えることだけでも、血圧をコントロール
することが可能であると感じられたことは、何よりの収穫だ。わたしは約10年前に
富士山に登頂した時、富士山の登頂は人生に一度の体験でいい、富士は遠くでみる物
と感じてしまったが、今回の断食の体験は、また繰り返していきたいと感じるもので
あった。
高血圧患者である医師が、ありがとう断食道場に参加して学ぶことの多い患者学で
あった。
【参考図書】
町田宗鳳『こころと体が軽くなる「ありがとう禅」』, KADOKAWA 2015
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私は2度参加をしていまして、貴重な体験をしてまいりました。 参加をする前の健康診断では、3年連続にわたり要治療の体でございました。 セミナーに参加をしたのをきっかけに、1日一食にすることもいい結果につながったのか、一か月後の検診ではすべてをクリアーをして現在に至っております。 さてこのたび町田宗鳳様より、大変興味ある案内が届きましたので紹介いたします。 皆様、お元気でお過ごしでしょうか。 今年2月と4月の二回連続で「ありがとう断食セミナー」にご参加下さった加藤眞三・慶応大学教授が、医学や栄養学の専門誌である『医と食』に本セミナーの体験談を紹介してくださいました。 消化器内科と肝臓病治療で第一人者と目される医師が、このように虚飾のない文章を書いて下さったことは、誠に光栄なことであり、ますます多くの方が当セミナーを体験して下さることを祈るばかりです。 ぜひまた断食セミナーのみならず、「風の集い」や「そうほう塾」にも足をお運び下されば、嬉しく存じます。 町田宗鳳 拝 町田宗鳳様ホームページ
HOME加藤医師感想 『医と食』 「患者学のすすめ」 慶應義塾大学看護医療学部 教授 加藤眞三 患者として医師としてみた「ありがとう断食セミナー」 Summary I participated in the “ARIGATO fasting dojo” in February this year. As patients who suffer from high blood pressure, and as a doctor to teach chronic disease, was what the effect is amazing. In this issue, I would like to introduce the experiences I have participated in the fasting dojo from the point of view of the Patientology. はじめに 本年2月に「ありがとう断食セミナー」に参加した。高血圧を抱える患者として、 慢性病を教える医師として、その効果は驚くべきものであった。本号では、断食セミ ナーに参加した体験談を患者学の視点から紹介したい。 高血圧の患者となって わたしは、慢性病では薬に頼るよりも先ず生活習慣を改善することが大切であると 考えてきたし、学生に教えてもきた。しかし、最近、自分自身の血圧、特に最低血 圧、が高い傾向が続き、100を超えることも多くなっていた。不規則な生活であり外 食することが多く、塩分を摂りすぎであることは否めなかったが、それなりに自分で は塩分の摂取量を意識していた。運動に関して言えば、以前から万歩計をつけてモニ ターし、1日平均の歩数も8000歩以上は確保してきたし、さらに昨年1月からは少し強 度の高い運動も週に一度は必要と考え、テニススクールにも通い始めていた。 そのようにしても、血圧のコントロールは十分とはいえず、1年程前からカルシウ ムブロッカー(ノルバスク)を渋々服用し始めたが、150台/90-100台の血圧がなお続 くため、昨年9月からは利尿剤(フルイトラン)を加えて2剤の降圧薬により、ようや く140台/80台にコントロールしていた。 町田宗鳳氏の開催する「ありがとう断食セミナー」 そんな時に、町田宗鳳氏の開催する断食セミナーに参加する機会をえた。町田氏 は、現在広島大学環境平和学プロジェクト研究センター長であり、比較宗教学、生命 倫理学の研究者である。町田氏は14歳で出家し、京都の臨済宗大本山大徳寺で20年修 行した後、ハーバード大学神学部に留学し修士号を取得し、さらにペンシルバニア大 学で博士号を取得し、プリンストン大学助教授、シンガポール大学教授を経て、東京 外語大学教授となって帰国されたユニークな経歴をもつ。わたしは、町田氏が東京外 語大学の教授であった時、町田氏の主宰する比較宗教学者の生命倫理を研究者の集ま り「いのちの研究会」に参加し、その仲間と2度のインドへの調査旅行に同行したこ ともあった。 その後、広島大学教授となられた町田氏は、「風の集い」、「ありがとう断食セミ ナー」、「そうほう塾」などの集まりを積極的に展開されていた。私自身、両方に興 味はあったが参加する機会がなく過ごしていたが、今回、「ありがとう断食セミ ナー」にアメリカでオキシトシンについて研究していた高橋徳医師が参加するという ことを知り、高橋医師の話も聴きたくて急遽参加することを思い立った。 断食に関しては、甲田光雄医師の書物などで関心は持っていたが、自分自身が経験 したいと思うほどの強い関心ではなく、本誌の編集長である渡邊昌先生も奨められて いたが、断食することは躊躇していた。それは、空腹になることへの恐怖感があった ためではないかと思う。昨年末、左足首の骨折をしてより、色々思うところあり、還 暦をまえにして自分を変えようと考えていた時期でもあり、思い切って参加すること ができた。 「ありがとう断食セミナー」の体験 2月13日金曜日、自宅での朝食はいつもより軽く済ませ、昼にはヨーグルトを飲ん で、東京を発ち、17時前に御殿場にある時之栖ホテルにした。各自の個室に荷物をお いて、畳様のマットを敷いた広間に集合した。20歳台から70歳台まで老若男女、親 子、夫婦などが参加していた。約40人の参加者が自己紹介をし、プログラムは始まっ た。 「ありがとう呼吸法」、「ありがとう念仏」、「観音禅」、「感謝念仏」、「涅槃 禅」などが町田氏により3日間にわたって指導され、全員が参加する。約30分の瞑想 も、ただじっと座っているだけではなく、声を出しながらやっているので、苦もなく 時間が過ぎていく。 とくに、「感謝念仏」では、各自が各自の音程と長さで大きな声を出すだけである のだが、わたしの耳には雅楽の笙の音が聞こえてきた。笙の音は、雅楽では「天上か ら差し込む光」を表す音として知られるが、その音を聴きながら「あーーーー、 りーーーー、がーーーー、とーーーーー、うーーーーー」をくりかえしていると、と ても気持ちが良くなってくる。「感謝念仏」の間に、このような音を聞こえるだけで はなく、香りが漂ってきたり、ビジョンが見えてくる人もいるそうだ。「感謝念仏」 では、今回は自分に対して、両親に対して、自分のお世話になった人に対してなどの テーマを事前に与えられる。そのことが、自分には感謝をする対象がたくさんあるこ とを気付かせてくれて、自分を内観することにもなる。 「ありがとう念仏」は、「感謝念仏」に比べてアップテンポであり、町田氏が木魚 をたたくのに合わせて「ありがとう」を約30分繰り返す。町田氏は素人にとってこれ が最も深い瞑想にはいるための簡単な方法であると紹介されていた。 休憩時間は、会場の端に準備された机を囲んで、参加者と談笑する。水、白湯、柿 の葉茶、塩、黒砂糖は自由にとることができる。色々な職種のひとが集まっており、 その会話も楽しみだ。大勢と一緒にやっていることが断食に対する不安感をかき消 す。会期の期間中に、酵素エキスが2回、野菜ジュースが一度出された。3日間にわ たり心配していた空腹感に煩わされることなく、苦痛なく過ごせたのは、プログラム が工夫して組まれている賜物なのであろう。 各プログラムの最初にはヨガのインストラクターから、身体をストレッチさせる運 動を指導される。そして、2日目の夜には、裏山に登って護摩を焚いたり、3日目の 朝には、スロージョギングをするなど、身体を動かすプログラムもある。一日のプロ グラムが終わると、各自個室に戻った後、ホテルの温泉に入り、就寝時間となる。初 日、二日目とも心配した空腹感に悩まされることなく安眠ができた。ホテルの前には 雄大な富士山があり、朝焼けの赤富士を観ることもできた。温泉と富士山という大自 然の気の中で過ごせることもこの断食道場を心地よいものにしている。 3日目の最終日は、朝に青汁が出され、スロージョギングをした後に、復食に入 る。宿便を出すことを目的に、梅干し、煮た大根、生野菜などを順番に摂ることを指 示される。梅干し10個と大量の大根の煮汁を飲むことにより、排便が促される。排 便があった後には、パンとミルクティーを摂ることができた。野菜やパンが本当に美 味しく感じられた。 昼には、富士山を真正面に観ることのできる露天風呂に皆さんと一緒に入り、ゆっ たりとした後に、最後のプログラムにうつる。そこで、各自が道場に参加をした感想 を述べ、15時には解散となった。この3日間を通して、辛い思いはほとんど感じな い。 20年間の禅宗の僧侶として修行をされた町田氏が、宗派にかかわらずに、しかも宗 教者でない人にも、簡単に瞑想をできる手法として編み出した「ありがとう禅」を組 み合わせた断食道場であった。町田氏は、浄土宗の開祖法然の研究者でもあり、これ からは天台宗の比叡山修行をするという宗教の型にとらわれない現代に求められてい る宗教性を目指して活動している。広島大学を退任後は、このホテルに建立される予 定のお堂を中心に、宗派をこえた統合医療の場として活動していくという。また、ハ ワイ・ロスアンゼルス・パリ・ブリュッセル・台湾などでも「ありがとう禅」を指導 している。 断食道場参加のその後 たった3日間の断食道場に参加することにより、その後わたしは降圧剤をのむこと なく、140/90以下の血圧ですごすことができ、4週間がたとうとしている。最 初は、その効果はせいぜい2-3日だろうと考えていたが、2週間を過ぎた頃より、 ひょっとするとこのまま降圧薬を飲まないでもすむのではないかと感じ始めた。 血圧に対して予想以上の良好な経過をえたので、その原因について考えてみた。 一つ目は、体重が減量できたことである。ただし、減量は、1-1.5kgに留まってお り、この程度の減量なら以前にもしていたが、血圧にそれ程の影響があったわけでは ない。断食を経験したことにより、空腹感に対する恐怖感がなくなり、一食を抜くこ とを簡単にできるようになったことは大きい。体の切れもよくなり、頭もさえ、全体 として体調が良くなっていることを感じている。一定の時間が来れば食べなければな らないという強い思い込みがあったが、その思い込みから解放された。 次に、減塩できたことである。断食を経験して、塩辛いものに鋭敏になり、塩分を 摂る量が減っている。また、朝食に味噌汁をとることをやめて、ホテルでたまたま購 入した黒豆茶に替えていることも関係していることも塩分の制限に役立っている。 三つ目には、コーヒーを飲む量が減ったことである。以前は一日5-10杯程度のコー ヒーを飲んでいたが、黒豆茶が気に入ったため、一日のコーヒーを2-5杯程度に減ら すことができている。カフェインの摂る量が減っていることが血圧の低下の原因の一 つかも知れない。カフェインが抜けたときの頭の重い感じやだるさから解放されたの も、断食道場参加の賜物だ。 四つ目は、気持ちがリラックスしていると感じていることである。断食道場に参加 以来、肩の力が抜けた感じがする。これは、断食の効果というよりもありがとう禅の 効果かも知れない。あるいは、この頃より声を大きく出すことを心がけていることも 関係しているかも知れない。 いずれが原因であるにしても、予想以上に降圧効果を長期間得ていることに、医師 としてのわたしが驚いている。生活習慣を変えることだけでも、血圧をコントロール することが可能であると感じられたことは、何よりの収穫だ。わたしは約10年前に 富士山に登頂した時、富士山の登頂は人生に一度の体験でいい、富士は遠くでみる物 と感じてしまったが、今回の断食の体験は、また繰り返していきたいと感じるもので あった。 高血圧患者である医師が、ありがとう断食道場に参加して学ぶことの多い患者学で あった。 【参考図書】 町田宗鳳『こころと体が軽くなる「ありがとう禅」』, KADOKAWA 2015
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