伝統的デザイン建具 (D-001)
京都のお寺を見学していた際、製作が不可能と思われる建具に出会いました。
素晴らしい仕事をしている職人技を、ぜひ後世に継承していきたいと考えながら形にしました。
京都を訪れて視察中、某お寺の格子建具を見ていると違和感を感じました。
何かとしばらく見ていると、これは製作不可能だと直感しました。
しかし、そこには形ができている。
しばらく考えながら、こうすれば作れるかな?と見抜くことができました。
京都のお寺だけでなく、店舗に至るまで職人の確かな技術が使われているように感じました。
そこには”俺の技が見抜けるか!見抜けるんだった見抜いてみろ!”と、
私に語りかけているような気がしました。
一つ一つ、ゆっくり製作目線で眺めていると京都の職人技の凄さがよりわかってまいります。
少しでもその職人技を後世に伝えていけたらうれしく思い今回、チャレンジした事例が下記です。
『丸格子の建具』
縦・横の格子が、丸い枠に食い込んでいます。
実際に作ってみようと考えると、四角い形状と違い、
丸型は製作ができない考えに至ります。
さて、どのようにしたら組めるのでしょうか?
『角格子の建具』
縦・横の格子は上下に食い込んでいます。
框枠のジョイント部分に注目してください。
あえてジョイント位置をずらしています。
なぜなら、このジョイント位置だと通常は製作不可能だからです。
どのようにしたら組めるのでしょうか。?
『一般的な千鳥格子の建具』
一般的な千鳥格子とは、縦か横の格子部材のどちらか一方がつながった見え方になります。
下の画像では縦ガチにして製作しました。
この格子もすき間がなく、それだけでも職人技術が感じられます。
『本千鳥の格子』
一般的な千鳥格子と違い、縦横が編み込んでいるように作りました。
この不思議、見抜けますか?
どこか途中で切れているわけだもございません。
表・裏どちらから見ても硬い木があみこまれているように作られています。
構想から完成までおよそ1年の歳月がかかりましたが、ついに完成いたしました。
じつはあとでわかった事ですが、
江戸時代の伝説の彫刻職人である『左甚五郎』が作った
”甚五郎格子”と同じものを偶然に作っていました。
恐れ多くも偶然に同じ物を作っていたと分かり、恥ずかしながらも嬉しい一品となりました。
室内ドアや家具の扉として製作する事が可能です。
お気軽にご相談くださいませ。
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