会長：小原御郎

ジャパニスト出版：３分間スピーチ例文集「日本を語ろう」から了解のもとに転載しています。

海外に行って自国のことを語ることはなかなかできないですよね。

私は日本のすばらしさをこれまであまり知りませんでした。

最近勉強をしていますと、自慢ができることが大変多いことに気が付きました。

ただいま表題の本を読み返すこと５度目くらいかと思います。

今後興味がある箇所を紹介していこうと思います。

 

• 日本は、世界で最も古い国

現在、世界にはおよそ200の国がありますが、日本はそのなかでも皇室の伝統を含む長い歴史をもつ国の一つです。

神話の時代を含む古代日本の歴史を著した「日本書紀」では、最初の天皇である神武天皇が即位した紀元前660年１月1日を日本のはじまりとしています。つまり、それからの2676年間、日本では同じ王朝がずっと続いていることになります（2016年現在）。

日本の歴史は「神話」と「現在」が一本の線でつながっています。神武天皇は神話に登場する人物でありながら、現在の125代天皇の祖先にあたります。いつ日本が建国されたかについては他の説もありますが、裏を返せば、正確に特定することができないほど古い時代に国が始まったということでしょう。

神話の時代は信ぴょう性がないという指摘もあるでしょう。正確な記録が残っている時代以降に国ができたと仮定しても、1800年以上の長い歴史をもつことになります。

この長い歴史にこそ、日本らしさの要因があるといえます。歴史の断絶がなかったということは、大きな内乱がなかったということであり、外国から侵略されることもなかったということです。そのことによって言語をはじめ文化に一貫性がもたらされ、深みが増しました。

それを可能にさせた理由として、天皇の存在があげられます。天皇は祈りの帝であり、祭祀を行います。質素な暮らしを基本とし、中国の皇帝や西欧の王とは違い、直接国を統治しません。そのかわり、豊かな実りと日本国民の平穏を願い、日々祈りを捧げているのです。古の時代から現代にいたるまで、それは変わっていません。

天皇と国民の間には厚い信頼関係があります。天皇は国民から親しまれ、尊敬されているのです。長い間、天皇の住まいであった京都御所は戦乱の時代であっても特別の備えをしておらず、警備の者も最小限でした。これは、仮に時の実力者が武力をもって天皇を排除しても、日本国民から王であると認めてもらうことが不可能だとわかっていたからです。つまり、天皇の存在を脅かすような闘争が生まれる余地がなかったということです。日本が世界有数の古い国であるということの背景には、そのような理由があります。

平和な社会を長く続けてきた祖先の知恵に、私たちは誇りを持っています。

 

ひとくちメモ

◆「日本書紀」は奈良時代に編纂された日本の歴史書です。日本に現存する最古の歴史書で、神武天皇から持統天皇（645～703年）までの時代を扱っています。

◆「中国は4000年の歴史と聞きますが、中国の歴史はどれくらい長いの？」と疑問を抱く方も多いと思います。

確かに日本より古くから国家が興っていましたが、たびたび国の断絶が興っており、現在までひとつの国が続いているわけではありません。ちなみに現在の中華人民共和国が建国されたのは、1949年10月1日です。

◆日本以外で古い歴史をもつ国といえば、デンマーク王国があげられます。10世紀後半に建国されました。また、英国の初代国王ウイリアム1世が国をまとめたのは1066年のことです。

現在、英語は世界中で使われていますが、ブリテン島は長い間、外敵から侵略されてきたため、英語は被支配民の言語とされてきました。英国の女王が英語を話すようになってから、まだ600年あまりしか経っていません。

 

• Tweet